全国通訳案内士(国家資格)、英検1級、IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞。英語の資格三冠を持ち、これまで何千人もの英語学習者を指導してきた谷口翔太先生。
2018年、東京・日本橋に社会人向けの英語教室「おとなの英語予備校」を開校しました。
掲げているのは「英語を読めるようになれば、英語を使えるようになる」という考え方。アウトプット中心の指導が主流のなかで、あえて読む力を土台に置き、マンツーマンで基礎から積み上げるスタイルを貫いています。
では、何度も英語に挫折してきた大人が、おとなの英語予備校で結果を出せるのはなぜなのか。ゼロ塾ガイドは、谷口翔太先生に独自に取材し、その理由を深掘りしました。

「話せる」がゴールではない。読む力を土台に置く理由

渡辺なおやー「話す」ではなく「読む」に土台を置かれた理由を教えてください
まず第一に、英語学習のゴールが「話す」ことだとは思っていないんです。
「英語ができる=英語が話せる」と考えがちですけど、今まで本当に何千人という方々を指導してきて、「喋るスキルはいらないけれど、書けるようになる必要がある」「読めるようになりたい」という方もたくさんいらっしゃった。
そもそもゴールは皆さん違うのに、全部が全部「話す」を最終目標にするのはどうなんだろう、というのが個人的な考えとしてあります。
ただ、一番大きな理由は別のところにあります。
英語学習というのは、あくまで外国語の習得法という大きな枠の中の一部として考えるべきだと思っているんです。
英語は僕たちからしたら外国語ですから、外国語を習得するにはどういう方法をとればいいのか。そこを考えたときに、言葉の仕組みとして読めない範囲のことはアウトプットができない、という前提があるんですね。これは英語に限った話ではありません。
読める範囲を広げていかないと、自分が話せる範囲も広がっていかない。聞く、書く、話す、どれも読むスキルを使うことになるので、ここさえきちんとできるようになれば、他のスキルはそれに比例して伸びていく。言葉の仕組み上、当たり前のことなんです。
だからスピーキングも、正直、最後に一押ししてあげればすぐできるようになる。読むスキルを鍛えて、他のスキルも一気に伸ばしていく。そういうメソッドでやっています。
渡辺なおやー確かに、読めないとそもそも内容がわからないですよね
母語である日本語も同じ仕組みをしていますから、喋る練習をしても、それだけで喋れるようにはならないんです。自分が読めない範囲のことが口から出てくるなんて、絶対にありえない。
言葉の仕組みをきちんと勉強すれば、読む力を伸ばさない限りそれ以外のスキルも伸びないというのは、明確にわかると思います。それをベースに考えて、読むスキルを伸ばすことに特化し始めました。
一言で言うなら「観察」。マンツーマンにこだわる理由

渡辺なおやー指導方針を教えてください
主にプライベートのマンツーマンレッスンを行っているので、受講生の方をしっかり観察して、その人の特徴やタイプを見極める。そのうえで、英語を習得するうえで必要になってくる道具や、その道具の使い方を、その人に合わせてカスタマイズしていく感じですね。
とにかく一人ひとりちゃんと観察して、その人に向き合っていく。それが指導方針といえば方針かなと思います。
渡辺なおやー 一言で言うと、どんな言葉になりますか
一言で言うなら、「観察」かもしれません。
自分のメソッドはあるけれど、それを無理やり受講生の方に押し付けるということはあまりしないので。その人を見て、伝え方ややり方を変えていく。そこが一番気をつけている部分ではありますね。
渡辺なおやーマンツーマンにこだわられている理由は何でしょうか
集団でやるときは、絶対にどこかで取りこぼしが出るんです。大多数の人を取れば少数の人がこぼれるし、少数に合わせれば大多数をこぼすことになる。そこに取りこぼしがないようにするには、やっぱり一対一でやるしかない。
あとは、本当に最後の砦にしたかったんですよ。ここで絶対に結果を出してほしいという思いがあった。
一人ひとりに合わせれば、その人が確実に成長できるものを提供できるという自信はあったので、取りこぼしをなくすことを考えたら、マンツーマンという選択肢しかありませんでした。
今まで何千人という方を見てきて、全く同じやり方で伸びたということが一度もなかったんです。
必ずどこかしら微妙な違いがあって、この人はこうしないと、というタイプも一人ひとり違う。その微妙な調整をしていくのは、マンツーマンじゃなければ絶対にできないという確信があります。
渡辺なおやーコースは3つありますが、それぞれどんな方に向いていますか
メインはパーソナルコーチングです。今まで英語のいろんな勉強をしてきたけれど、ずっと結果が出なかったという方に向けて、僕としては最後の砦のつもりでやっているコースになります。
グループレッスンは期間限定のものですね。TOEIC対策ならTOEIC対策、リスニングならリスニング、ライティング、英文法、発音といったようにテーマを決めて、少人数でやっていきます。
常に開講しているものではなく、短期間で特定のテーマについて知識をインプットしたいという方向けです。
3つ目のアフターサポートは、うちのカリキュラムを修了された方に向けたものです。
卒業して自分でまた新しいことを勉強される方もいれば、英会話スクールに通われる方もいる。そのときに気になったことやつまずいたことがあったら、「ちょっと谷口に聞いてみようかな」とピンポイントで相談できる受け皿として設置しています。
「英会話スクールのネイティブの先生にこう言われたんですけど、これってどうなんですか」といった質問にも答えられますから。卒業しても、必要なときにはサポートしますよという位置づけですね。
2度のアメリカ留学で得た「国際英語」という視点

渡辺なおやー高校と大学で2度のアメリカ留学を経験されています。今の指導にどうつながっていますか
技術的な面では、あまり今の指導には影響していないと思うんですよ。ただ、考え方や思考の部分では、すごく視点が変わったと思っています。
特に大学にいたときに感じたのは、全世界のいろんな国から、アメリカの大学の教育を受けたくて来ている方がたくさんいるということ。そうすると、ネイティブの英語だけじゃない、いろんな国の英語が飛び交っているような状態なんですね。
日本人はどうしても、ネイティブスピーカーの英語を目指すじゃないですか。アメリカ人やイギリス人の英語が正解で、ネイティブスピーカーが言っていることが全てだ、という風潮がある。
でも僕には、特に仲のいいルーマニア人の友達とドイツ人の友達がいたんですけど、みんなそれぞれの国の訛りがあるんです。
当然、母語ではないので。それでも意思疎通はできている。しかもその2人は、自分がネイティブスピーカーじゃないことを、むしろ誇りに思っているぐらいだったんですよ。
母語じゃない英語を使って自分がこれだけできていることの方がすごい、と。ネイティブスピーカーがすごいなんて、これっぽっちも思っていない。
そういう人たちを身近に見て、僕たちが目指す英語はネイティブスピーカーの英語じゃないんだと思ったんです。英語が母語じゃない人たちが話す英語もあるわけだから、そういう英語を目指さなきゃいけないんだな、と。僕は勝手に「国際英語」と呼んでいるんですけど。
留学でその視点になれたことは、やっぱり大きかったなと思いますね。
技術だけでは足りない。メンタル面のケアと、大人が変わる瞬間

渡辺なおやーメンタル面のケアについては、どんなことをされていますか
大きく分けて2つあります。受講生の方の自己成長の部分と、英語学習に向き合う姿勢の部分です。
自己成長で言うと、英語の勉強を始めて前よりレベルが上がってきても、日本人ってどうしてもできないところを見がちなんですよね。
まだできないことの方にフォーカスしてしまう。だから、「最初に来た頃よりこんなこともできていますよね」と、成長した部分を意識的に見てもらうようにしています。
もう一つの、英語学習に向き合う姿勢の部分は、さきほどの留学の話につながります。ネイティブスピーカーの英語を目指す必要はないですよ、と。皆さんが持っていない視点を提供するのは、やっぱり僕の役目でもあるので。
ネイティブスピーカーだって一般の人ですから、僕らと変わらない。僕たちが日本語を喋っているのと同じことなんです。
じゃあ僕たちが日本語の説明をしたときに、それが全部合っている自信がありますかと言われたら、ないですよね。ネイティブスピーカーが言っていることも、文法の面を見れば間違っていることは結構あります。
発音も、ネイティブの発音じゃなきゃダメということはなくて、訛りはあっていいと思うんです。ただ、ストライクゾーンには入れたい。ストライクゾーンに入っていれば、それでいい。アメリカ人やイギリス人の発音自体が本当に綺麗だと思ったことは、正直ないですから。
ネイティブスピーカーの手書きの文字を見ても、全然綺麗じゃないよなと思いますし。あれを目指す必要は全くないんじゃないかな、と。
そういう視点を受講生の方に与えることも、メンタル面のケアの一つだと考えています。
渡辺なおやー受講生が「わかった」と変わる瞬間は、どんなときですか
うちが大人の方をメインにしているというのもあると思うんですけど、学校で学んだときには繋がらなかったことが、頭の中で繋がった瞬間ですね。皆さん、いい反応をしてくださるんですよ。
その反応は、理屈がわかったときによく起きるなと思っていて。「なんでそうなるのか」がわかったときに、大人はすごく腑に落ちるというか、腹落ちして「ああ、なるほど」となる。
たとえば、中学で勉強したwill youよりwould youの方が丁寧だということも、理屈がわかると「だからか」となるんです。そうしたときに、こう、スパークしている感じがします。頭の中でパッと何かが繋がっている感じが伝わってくる。
大人はやっぱり、「なんで」を知りたいんじゃないですかね。
開校から変わらないこと、これから届けたい人

渡辺なおやーもうすぐ開校8年です。変わらずに守ってこられたことは何でしょうか
やっぱり、受講生の方にちゃんと向き合おうというのは、ずっと変わらないですね。
そして、ここで最後になるように、と。ここでダメだったらもう英語の勉強はやめてください、というくらいの、最後の砦のつもりでやっているので。受講生の方が確実に成果を出せるようにということは常に意識していて、指導法もテキストも改訂していっています。
挙げるとしたら、そこだけが唯一変わっていないことかなと思います。
渡辺なおやー著書を出されたきっかけを教えてください
ちょうどコロナの時期に出版のお話をいただいたんです。仕事がキャンセルになったり延期になったりということがすごくあって、時間ができてしまった。収入もその時期はかなり減ってしまいました。
でも、そんなことで悩んでいてもしょうがないですから。何か一つ集中できるものがあるならと思い、執筆活動をすることにしました。
それまで、自分の考えていることを文字に起こしたことがそんなになかったんです。自分のメソッドを改めて執筆して本にすることで、整理できたという面は非常にあって。あのタイミングでお話をいただけて、本当によかったなと思っています。
渡辺なおやー受講生から多いご相談は、どんな内容でしょうか
純粋に、「どうやったら英語ができるようになるんですか」ということになってしまうんですけどね。人それぞれ目標も現状も違いますから。
あとは、「何をやってもうまくいかなかったんです。どうすれば自分は伸びるんですかね」という言葉が多いかなと思います。細かい質問や皆さん気になっているポイントはそれぞれ違うんですけど、結局そこに集約されてしまうと思います。
渡辺なおやー「今から基礎からなんて」とためらっている大人の方に、伝えたいことはありますか
おそらくそういう方は、英語の基礎を中学の英語みたいなイメージで考えられているんじゃないかなと思うんです。
でも、そもそも基礎とは何かが明確になっていない。中学英語でやっていない基礎もあるし、基礎ではないのに中学に入っているものもある。だから、中学英語が基礎というわけでもないんですね。
本当に早く英語を習得したいのであれば、我慢が必要ですけど、腰を据えて2年、3年しっかり英語に向き合う時間を作った方が、結果的に早いですよ。それは伝えたいですね。
渡辺なおやー今後、どんな方に届けていきたいですか
何度も挫折した方ですかね。
何をやってもうまくいかなかったとか、学生時代からそもそも英語は苦手でしたとか、高得点を取ったことがない、授業もわかりませんでした、という方。
それでも真剣に英語をやりたいという方だったら、その方たちが自分の思考できる範囲では絶対に考えつかないことを、僕だったら提供できると思うので。
そういう方に届けばいいなと思っています。
おとなの英語予備校の基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 教室名 | おとなの英語予備校 |
| 所在地 | 〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町4-3-8 第18SYビル5F |
| アクセス | JR神田駅より徒歩4分/ JR新日本橋駅より徒歩6分 |
| 電話番号 | 03-6281-9875 |
| 受付時間 | 平日12:00〜20:00/ 土曜10:00〜17:00/日曜10:00〜12:00 |
| 対象 | 社会人・大人の英語学習者 |
| 指導形態 | マンツーマン(パーソナルコーチング) グループレッスン(期間限定) アフターサポート |
| 公式サイト | https://otonanoeigoyobikou.com/ |
本記事は、教育関係者・保護者・塾運営者などへの取材をもとに構成した一次情報コンテンツです。
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