高3夏に塾通いを始め、半年で最難関の慶應法学部に現役合格した生徒がいます。お名前はタクさんで、元運動部で、今は塾のチューターとして後輩指導にもあたる18歳です。
今どきの優秀な高校生のリアルを届けたい。その思いから、この記事は出来上がりました
慶應義塾大学法学部(法律学科)に、高3の夏から塾通いで現役合格した、異例の成功者が何を思っているのか、文武両道を体現する彼の素顔と受験戦略に迫ります。
志望校は甲子園の慶應から──高2の夏に見つけた目標
ーいつ頃から慶應に行こうと思いましたか?
ぼんやりと慶應がいいなって思い始めたのは、高2の夏頃からですかね。それまでは、高3の夏まで野球部をがっつりやってたので、高2も大体週5日以上でやってたって感じです。それで、そのまま一般入試で合格しました。
ー形式はどのような塾ですか?
塾の形としては集団授業です。やっぱ集団塾って平均よりはレベルの高い人が集まってくると思われがちですが、多くの人は特別勉強ができる人ばかりではなかった気がします。
あとは、僕が高2の夏に慶應を目指し始めたのは、その年に慶應高校が甲子園で優勝した年で、その姿見てかっこいいなっていうのもあります。野球をやっていたので、慶應に行っても野球をしたいなって思っていました。
それが、結構慶應を目指すモチベーションというか、動機になったのでそういう大学に入ってから、やりたいことのモチベーションとかを強く持って、挑んだ形です。
『時間がないから全力』という覚悟で挑んだ夏
ー高3の7月から塾に通い、どのようにして合格されましたか?
とにかく他の人より時間がない、自分に残されてる時間はないなって思っていたので。
1日1日無駄にしないようにしていました。まず毎日夏休みだったので、朝から夜までずっと日々量を積み重ねるみたいな感じでしたね。
7月から集団塾に入り、がっつり夏期講習を受けて自習する夏休みの日々でした。もう夏休みを受験に捧げて、それで秋以降もその勢いで続けていた感じです。
父の一言が、自覚を目覚めさせた
ー短期間の勉強で現役合格できた理由はなんでしょうか?
お父さんは本当に「大学別にもう行かなくてもいいんだぞ」みたいな、厳しい言葉をかけてくれました。大学受験も自分で決めたことなんで、それに対してちゃんと向き合ってくれてる、そういうことを言ってくれてました。
自分としても自覚持てたし、ちゃんと勉強に向き合うってさせてくれたので、良かったですね。
あとは、お母さんは普段受験の話とかでも本当に自分のことを気にかけてくれたんで、模試のこととか、普段の勉強のこと、日々なんかコミュニケーション取ってくれて、メンタルの支えになりました。
本当はお父さんも、そんなに厳しい人ではないと思うんですけど、自分の態度が悪かったらちゃんと言ってくれたみたいな感じです。
“できる”の基準は人それぞれ。学力の底上げに必要な視点
ー塾のチューターとして働き、気づきはありましたか?
塾の生徒と話したり、面談したりして生徒それぞれに当たり前の基準とか、問題集とかやるにしても、「できた」がどれくらいの深さの理解度で言っているのかなど、そういうのが人それぞれで、勉強する上で結構大切なのかなってのは感じてますね。
その生徒の勉強を見る上で、何が原因で成績が伸びてないのかとか、そのテストの点以上に、意外と初歩的なところでつまずいていたりするとか。あとはどういう理由で、成績が伸びてないのかってのを、考えるようにはなりましたね。
中途半端は一番もったいない。やるなら全力
ー勉強するうえで大切な考え方はありますか?
勉強する上で、できるだけストレスとかは溜め込みたくなかったので、食べるものとか飲むものは本当に自分の好きなものって感じでした。意識してたことは、どうしても眠くなることもあったんですけど、眠い中勉強してもパフォーマンス的に逆効果だと思っています。
「眠い中頑張ろうとしても、得られるものは少ない。だから切り替えて短く寝るようにしてました」。パフォーマンスを重視し、勉強の効率にとことんこだわった姿勢が垣間見えた。そういう感じで意識はしてましたね。
ー合格に対して誰にお礼を言いたいですか?
合格の報告は、お母さんと一緒に見て、そこで一緒に受かってるのを確認して、学校の先生とお世話になった塾の、塾の職員の人に伝えていったかって感じですね。金銭面では塾とか受験代とか支えてもらいましたし、それ以外でも支えてもらいました。
部活をやってて、なんか全然勉強できてないみたいな時は、そんなんで大学行く気あんのかみたいな、お尻を叩いてもらうみたいな、そういうカツを入れて、頑張んないとなっていう気持ちにもさせてくれました。
それで、夏休み以降の本格的に勉強取り組んでる姿を見せてた時は、シンプルに応援してくれてたので、期待に応えたいなっていう気持ちがありましたね。
ちょっと厳しいところもあるけれども、それが頑張ろうっていうトリガーになったし、僕も、その期待に応えたいっていう気持ちにもなりました。本当に感謝しています。
夏からの逆転合格という奇跡のような現実。
その背景には、「やると決めたら本気でやり抜く」タクくんの姿勢と、それを支えた家族の存在がありました。
今、悩みながら受験に向き合うすべての学生たちに、タクくんの言葉が届きますように。
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