JAレーク滋賀 女性部の挑戦|地域の手で、琵琶湖を未来へつなぐMLGsアクション

JAレーク滋賀 女性部

滋賀県の地域を見守る「JAレーク滋賀 女性部」。

今回は、琵琶湖の環境保全に取り組む、JAレーク滋賀 女性部の西川さま岡野さまインタビューを実施しました。

渡辺なおや

西川さまと岡野さまは、美しい琵琶湖を守りたい想いがあります

では、具体的にどのような取り組みを行っているのか、その活動内容と発端となったきっかけについて深堀りしていきます。

本記事は、滋賀県が琵琶湖を切り口とした2030年の持続可能社会へ向けた目標「マザーレイクゴールズ(Mother Lake Goals, MLGs)」に賛同するJAレーク滋賀への独自取材として構成しています。

目次

琵琶湖を守りたい——その想いがすべての出発点

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渡辺なおや

ーまずは自己紹介をお願いできますか?

私たちJAレーク滋賀は、2021年4月1日に8JAが合併してできたJAで、2025年9月末時点で組合員5万6,127人おり、食と農を基軸として地域に根差した協同組合を目指した総合事業を展開しております。

MLGsの活動は、JAレーク滋賀の女性部が参画しており、JAレーク滋賀の女性部は、2021年にJAレーク滋賀の発足とともに、県内の6市、約1,350人の女性部員がいます。普段は5つの支部に分かれて活動しております。

今活動している守山・野洲支部は、9月末日に372名の部員がおりまして、それぞれが食や農の啓発活動を行っております。他の支部においても、食と農や健康に関することを中心に女性部の活動を行っており、MLGs以外にもさまざまな活動をしております

私は本部の食育直売部に属しております西川と申します。JAレーク滋賀の女性部の本部事務局をしております。もう一人がJAレーク滋賀の守山・野洲支部の事務局を担当しております岡野と申します。

1970年代から続く「せっけん運動」が原点に

せっけん運動 琵琶湖
渡辺なおや

ー琵琶湖の環境保全に取り組むきっかけは何でしょうか?

1970年代に琵琶湖の水質が悪化し、主に工場や家庭から流れ込む排水が原因となり、問題となりました。その流れで、合成洗剤ではなくせっけんを使用する「せっけん運動」というのが滋賀県内で活発に行われるようになりました。

当JAの高島支部管内の今津町が活動の発端とも聞いており、当時の女性部も学習会などでせっけん運動の普及を推進していたと聞いています。

そういう背景があり、滋賀県がSDGsの琵琶湖版「MLGs」を2021年に制定して取り組んでいくということを知って、守山・野洲支部の女性部も、その活動や趣旨に賛同して活動しています。

渡辺なおや

MLGsが発足する前から活動されていたのでしょうか?

元々、当時のせっけん運動や琵琶湖に関する関心がベースにあった上で、滋賀県のMLGsが制定されたのをきっかけに、同じように琵琶湖の環境を良くしようという想いで活動が始まっていきました

滋賀県で生まれ育って、常に「滋賀県といえば琵琶湖」と言われるぐらい、愛する琵琶湖の美しい水と景観、豊かな恵みを次世代にも伝えていきたいっていう思いで活動しています。

実践事例がすごい!JA女性部が地域を巻き込む「MLGs」清掃&農業活動

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渡辺なおや

ー具体的にどのような取り組みをされてらっしゃいますか?

合併と同時に女性部も5支部体制になりました。そこで、全体で同じ志で何かできないかということを本部役員会の方で相談することになりました。

守山・野洲支部で取り組んでいたMLGsの活動として、琵琶湖の清掃活動をしてはどうかということになり、協議した結果、1回各支部で湖岸や河川敷などを同じ日に清掃しようということになりました。

また、守山・野洲支部では、毎月1日にMLGsの清掃活動として、守山・野洲管内の清掃活動に取り組んでいます。この活動は、同様に他の支部でも行っており琵琶湖のゴミ拾い活動に取り組んでいます

さらに、環境に優しい農業の取り組みとして、米ぬかともみ殻にEM菌を混ぜて発酵したり、環境に優しい肥料作りも行っています

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渡辺なおや

ー活動をする中で印象的な出来事はありますか?

ゴミ拾いの清掃活動をしていると、不法投棄されているゴミは袋に入れられた家庭のごみも多くて、わざわざ家から持って出て捨てに行っていることに、ちょっと驚かされています。

また、マザーレイクゴールズの体操を2023年の女性部の総会の時に、総会者全員で踊ったりしています。さらに掃除の時に各支部1文字ずつMとかLとかポーズをとって、それを繋ぎ合わせて1つの文字にしたエピソードがあります。

渡辺なおや

ーMLGsの活動を続ける成功の鍵は何でしょうか?

成功の鍵とまではいかないかもしれませんが、毎月この日と決めてみんなで集まって活動する。活動のルーティンになっている。ずっと続けているのが大きな成功の鍵だと思います。単発で終わらせるのではなく、ちゃんと継続する取り組み、仕組みができてることですね。

この活動は、ボランティアで参加してもらっていますが、どうしても参加者が固定されているので、より多くの部員さんに参加してもらって、広めていきたいなと思っております。

以前、自分たちが回収したペットボトルキャップを細かくしてアイロンで溶かして、アクセサリーを作ったことがあります。このような取り組みを通じて、もっと地域の方とか世の中の方に環境問題についての意識を持ってもらいたいなと、思っています。

また、JAでは環境を取り上げた学習会や、琵琶湖に伝わる食など、色々な観点から他の団体や行政と協力をして次世代に伝えられたらと考えております。

若い世代へ託す琵琶湖愛|JA女性部が語る未来へのエール

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渡辺なおや

ー滋賀県域の住民へメッセージをお願いいたします。

SDGsとかMLGsと聞くと、ちょっと難しく考えてしまうと思いますが、自分のできる身近なこと。過剰包装をやめるとか、ゴミはゴミ箱にちゃんと捨てるとか、そういった積み重ねが、次の世代に美しい琵琶湖を残していくことに繋がると思います。

また1人1人が自分の身近にあるものなどに置き換えてもらって、思いやりのある行動をとってほしいと願っております。きっかけがあれば、学習会やイベントの時に、一緒に取り組んでいけるようなことを考えていけたらと思っております。

私たちだけが考えるのではなく、やっぱり次世代の人も交えて取り組んでいけたらいいかなと思っております。

琵琶湖の水と人をつなぐMLGsの輪が、地域の未来を静かに広げている。編集部も取材を通じて、その想いの深さを実感しました。

本記事は、教育関係者・保護者・塾運営者などへの取材をもとに構成した一次情報コンテンツです。
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